トン…トン… 玲央くんの上履きの音がする。 ドキ…ドキ… 今度はあたしの心臓の音が。 ちょっとだけ、目があったりしないか ちょっとだけ、笑ってくれないか なんて期待してしまってる自分が… 矛盾してる自分が腹立たしい。 「きたっ!」 どこかから声がして あたしも、葵も、他の女子も みんな廊下に注目した。