どうやっても泣きやんでくれない弟と妹。

そこへ帰ってきた両親。

一目散に駆けていく2人。素直に抱きつく2人。

それを遠くから眺めていた僕は、お兄ちゃんなのにどうして弟と妹を泣かせたままにしておくの、と。

ちゃんと面倒も見られないの、と。

叱られると思った。

けれど──。

『和音』

2人を泣き止ませた両親は、僕のところへやってきて。

2人と同じように抱っこしてくれて。

『頑張ったのね』

──と。

優しく頭を撫でてくれた。

叱られると思っていた僕は、思いがけない言葉に凄く驚いて。


そして、思い切り泣いたんだ。