そうとは知らない響也は、にこやかに話しかける。
「かっわいいなぁ~! 何年生だっけ? 3年? 4年?」
「6年生だよ」
「あれ、そんな? ちっちゃいなー。お前に似てねぇなぁ」
「そうだね」
「このくりくりした目~! アレだ、小鹿ビームだ!」
「……なんだい、それは」
「俺のお袋がさぁ、よく言ってんだよ。ちっちゃい子どもがくりくり目で見上げてたりするとさー、『うぎゃー、小鹿ビームきたぁぁ~!』って」
「小鹿ビーム……」
「ようするに、めちゃくちゃかわいい目で見つめられると心臓を射抜かれるってことだろ」
「ああ……なるほど」
それなら分かるような気がする。
花音のうるうる目は、物凄い破壊力を持つのだ。
僕の背中に隠れている花音は今、まさにそんな目で響也を見上げているのだろう。シャツを握り締める手が、『お兄ちゃん誰この人、知らない人だよぅ~たすけてえぇぇ~』……と言っている。
けれど初対面の響也にはその心の声など聞こえるはずもなく。
「俺は響也ってんだ。お兄ちゃんのお友達……」
と自己紹介しようとして花音に近づき。
「いやあぁぁー」
拒絶された。
「かっわいいなぁ~! 何年生だっけ? 3年? 4年?」
「6年生だよ」
「あれ、そんな? ちっちゃいなー。お前に似てねぇなぁ」
「そうだね」
「このくりくりした目~! アレだ、小鹿ビームだ!」
「……なんだい、それは」
「俺のお袋がさぁ、よく言ってんだよ。ちっちゃい子どもがくりくり目で見上げてたりするとさー、『うぎゃー、小鹿ビームきたぁぁ~!』って」
「小鹿ビーム……」
「ようするに、めちゃくちゃかわいい目で見つめられると心臓を射抜かれるってことだろ」
「ああ……なるほど」
それなら分かるような気がする。
花音のうるうる目は、物凄い破壊力を持つのだ。
僕の背中に隠れている花音は今、まさにそんな目で響也を見上げているのだろう。シャツを握り締める手が、『お兄ちゃん誰この人、知らない人だよぅ~たすけてえぇぇ~』……と言っている。
けれど初対面の響也にはその心の声など聞こえるはずもなく。
「俺は響也ってんだ。お兄ちゃんのお友達……」
と自己紹介しようとして花音に近づき。
「いやあぁぁー」
拒絶された。


