「これは……響也、動かさないで、余計に神経に傷がつく。和音くん、手を握ったり動かしたりしちゃ駄目だよ。今救急車を呼んであげるからね。大丈夫だよ」
マスターは手に握っていた携帯を開くと、少し離れた場所へ移動して救急車を呼んでくれた。
「お前西坂さんどうしたよ? 一人でこんなとこ来んなよ!」
僕の手首をぎゅっと掴んだまま、響也は怒鳴る。
それから何かに気がついたように反対の手で携帯を取り出した。
「そうだ、お前んちに電話……」
「駄目だ!」
僕の家に連絡を入れようとする響也に、思わず怒鳴る。
「なんでだよっ!?」
「駄目だ……心配を、かけてしまう……」
咄嗟に、母の顔が浮かんだ。
家を出る前に見た、拓斗と花音の心配そうな顔が浮かんだ。西坂の呼び止める声が聞こえた。
「……お前、何言ってんの?」
響也が眉を潜める。
「出掛けに……母と喧嘩を……だから、こんなことになったら、あの人は責任を感じて……」
しまう、と言葉を続ける前に。
頬に強烈な平手打ちが飛んだ。
マスターは手に握っていた携帯を開くと、少し離れた場所へ移動して救急車を呼んでくれた。
「お前西坂さんどうしたよ? 一人でこんなとこ来んなよ!」
僕の手首をぎゅっと掴んだまま、響也は怒鳴る。
それから何かに気がついたように反対の手で携帯を取り出した。
「そうだ、お前んちに電話……」
「駄目だ!」
僕の家に連絡を入れようとする響也に、思わず怒鳴る。
「なんでだよっ!?」
「駄目だ……心配を、かけてしまう……」
咄嗟に、母の顔が浮かんだ。
家を出る前に見た、拓斗と花音の心配そうな顔が浮かんだ。西坂の呼び止める声が聞こえた。
「……お前、何言ってんの?」
響也が眉を潜める。
「出掛けに……母と喧嘩を……だから、こんなことになったら、あの人は責任を感じて……」
しまう、と言葉を続ける前に。
頬に強烈な平手打ちが飛んだ。


