2人を見下ろして、僕は笑みを返す。

「ああ、そうしようか。ありがとう2人とも」

そう言ったところで、テーブルに置いていた携帯が鳴り出す。

ディスプレイに映った名前は『鳴海響也』。

「もしもし」

『おー、和音ぇ。今日暇か? 暇だよな? そんで、遊びに来たんだけど。あ、こんちわー』

「え?」

聞き返す前に来客を知らせるインターフォンが鳴った。

それに溜息をついてから3人で玄関へ向かうと、明るい髪色の少年が執事たちに案内されて立っていた。

「おっす、和音ぇー」

人懐こい笑みを浮かべて手を挙げる響也に、苦笑しながら答える。

「相変わらず急だね。こちらの予定を聞いてからにして欲しいと以前にも言ったけど?」

「固いこと言うなよ。お前いなくても西坂さんにお菓子もらってくから構わねぇし」

「はっ、お任せください。響也様のために、いつでも用意してございます」

「さっすが西坂さん! 今日もウマイもんありますかー?」