雨が降る。

冷たい雨だ。

柔らかく降り続くその雨は、重く、重く僕の肩を濡らし、そうして僕の身体は、絶望という名の底無し沼へ沈みこんでいく。



あのとき、躊躇うことなく水琴さんの手を捕まえていたら。

胸に残した想いを全部吐き出していたら。

一分でも一秒でも出発を遅らせていたら、彼女が事故に巻き込まれることもなかったんだ。



僕のせいだ。

僕が。

僕が、水琴さんを。



殺したんだ。