ヴァイオリンよりも一回り大きいヴィオラを構える拓斗は、小さな子どもが無理をしてヴァイオリンを持っているようにも見える。
……やっぱり逆の方が良かったかな、なんて思いながら僕も弓を構える。
花音が絶対にこれを先生に贈るの、と言い張った、エルガーの『愛の挨拶』。
『結婚祝い』というイベントは、やはり女の子の方が気分が盛り上がるのだろう。
いつも引っ込み思案の花音が、水琴さんのためにブーケを作り、庭の飾りつけの案も出し、頑張って準備をしていた。
演奏する曲もそうだ。
コンクールの練習と平行して、本当に頑張っていた。
──その頑張る姿が、僕に水琴さんをお祝いしようという気持ちを作る手助けをしてくれたのだ。
だから、主旋律は花音に任せることにした。
『先生のお祝いをするの』
そう言う彼女の気持ちが水琴さんへ届くように、『愛の挨拶』を3人で奏でる。
幸せになって欲しい人へ贈る、愛のうたを。
……やっぱり逆の方が良かったかな、なんて思いながら僕も弓を構える。
花音が絶対にこれを先生に贈るの、と言い張った、エルガーの『愛の挨拶』。
『結婚祝い』というイベントは、やはり女の子の方が気分が盛り上がるのだろう。
いつも引っ込み思案の花音が、水琴さんのためにブーケを作り、庭の飾りつけの案も出し、頑張って準備をしていた。
演奏する曲もそうだ。
コンクールの練習と平行して、本当に頑張っていた。
──その頑張る姿が、僕に水琴さんをお祝いしようという気持ちを作る手助けをしてくれたのだ。
だから、主旋律は花音に任せることにした。
『先生のお祝いをするの』
そう言う彼女の気持ちが水琴さんへ届くように、『愛の挨拶』を3人で奏でる。
幸せになって欲しい人へ贈る、愛のうたを。


