庭にある東屋を中心にテーブルと椅子を並べ、木陰になる場所にも椅子を置いた。

朝早くから3人で作った料理を、執事たちに手伝ってもらいながらテーブルに並べる。

そうして準備が終わる頃に水琴さんがやってきた。


「せんせー、おめでとう~」

拓斗の執事、東城に案内されてやってきた水琴さんに花音駆け寄り、笑顔でブーケを手渡す。

ピンクの薔薇をメインにしたそれは、水琴さんのイメージを語り合いながら作ったものだ。

やっぱり拓斗や花音の水琴さんに対するイメージもピンクの薔薇だった。

大人なのにかわいいよね、と。

綺麗だけどふわふわしてるよね、と。

そんな風に、話しながら。

「まあ……ありがとう。凄く綺麗」

両手でブーケを受け取り、水琴さんは嬉しそうに微笑む。

今日は僕たちの他に、給仕をしてもらう西坂たち執事も控えているから、彼らからも拍手が巻き起こり、水琴さんは恥ずかしそうに肩を竦めた。