「……すみません、なんだかはしゃいでしまって」
ジェラートを食べながら歩く花音と拓斗の後ろを、水琴さんと並んで歩く。
「ふふ、いいじゃないの。貴方、普段は落ち着きすぎているんだもの。たまにはそんな顔もしてくれると安心するわ」
「安心……ですか」
「ちゃんと13歳なんだなぁって思って。時々私より年上みたいよ?」
「そう、ですか」
可笑しそうに笑う水琴さんに、複雑な気持ちになりながらレモン味のジェラートを口に入れる。
痛すぎる夏の日差しを和らげる、程よい甘さと酸味が爽やかに口内に広がった。
「……っと、もうすぐだわ」
左手首の腕時計を見ながら、そう言う水琴さん。
「何か始まるんですか?」
「ええ、貴方に聞かせたかった、鐘が」
カラァーン……と。
軽すぎず、重過ぎない高い音が辺りに響き渡った。
その音に顔を上げ、教会の尖った塔の先にある鐘を見上げる。
同時に、わあっと歓声が聞こえてきて、色とりどりの風船が真っ白な入道雲の映える、くっきりとした青空に向かって飛んでいった。
ジェラートを食べながら歩く花音と拓斗の後ろを、水琴さんと並んで歩く。
「ふふ、いいじゃないの。貴方、普段は落ち着きすぎているんだもの。たまにはそんな顔もしてくれると安心するわ」
「安心……ですか」
「ちゃんと13歳なんだなぁって思って。時々私より年上みたいよ?」
「そう、ですか」
可笑しそうに笑う水琴さんに、複雑な気持ちになりながらレモン味のジェラートを口に入れる。
痛すぎる夏の日差しを和らげる、程よい甘さと酸味が爽やかに口内に広がった。
「……っと、もうすぐだわ」
左手首の腕時計を見ながら、そう言う水琴さん。
「何か始まるんですか?」
「ええ、貴方に聞かせたかった、鐘が」
カラァーン……と。
軽すぎず、重過ぎない高い音が辺りに響き渡った。
その音に顔を上げ、教会の尖った塔の先にある鐘を見上げる。
同時に、わあっと歓声が聞こえてきて、色とりどりの風船が真っ白な入道雲の映える、くっきりとした青空に向かって飛んでいった。


