CDプレーヤーの前で、僕が入れる、僕が入れると貴重なCDを拓斗と奪い合った結果。
下に落として、誤って踏んでしまったのだ。……僕が。
踏み方がまずかったらしいCDは、見事に真っ二つに割れた。
……幼い子どもには良くある過ちだろうけれど、今でも引きずるくらいの強いショックを受けた。
唯一『鐘』の音を表現出来ていると感じるギトリスの音が、永遠に葬られたのだから。
あのときのことを思い返すと、ここにある教会に飛び込んで懺悔したい気持ちになる。
「あら、良いものを見つけたわね」
ジェラートのカップを両手に持った水琴さんと花音がやってきた。
「ここ、結構掘り出し物があるのよ。来るのは観光客ばかりだし、よほどクラシックに通じていないと分からないものが多くて」
と、ジェラートのカップを手渡される。
「そうなんですか……」
カップを受け取り、軽く頭を下げながらも目線はCDに。
「買う? 兄さん、買うよね?」
拓斗の声に、僕は。
「買う」
即答してジェラートのカップを拓斗に預け、薄暗いCDショップの中へと入っていった。
後ろから、
「珍しい、和音くんが目をキラキラさせてる」
そんな水琴さんの声がした。
下に落として、誤って踏んでしまったのだ。……僕が。
踏み方がまずかったらしいCDは、見事に真っ二つに割れた。
……幼い子どもには良くある過ちだろうけれど、今でも引きずるくらいの強いショックを受けた。
唯一『鐘』の音を表現出来ていると感じるギトリスの音が、永遠に葬られたのだから。
あのときのことを思い返すと、ここにある教会に飛び込んで懺悔したい気持ちになる。
「あら、良いものを見つけたわね」
ジェラートのカップを両手に持った水琴さんと花音がやってきた。
「ここ、結構掘り出し物があるのよ。来るのは観光客ばかりだし、よほどクラシックに通じていないと分からないものが多くて」
と、ジェラートのカップを手渡される。
「そうなんですか……」
カップを受け取り、軽く頭を下げながらも目線はCDに。
「買う? 兄さん、買うよね?」
拓斗の声に、僕は。
「買う」
即答してジェラートのカップを拓斗に預け、薄暗いCDショップの中へと入っていった。
後ろから、
「珍しい、和音くんが目をキラキラさせてる」
そんな水琴さんの声がした。


