その音に驚いたのは僕だけではない。

教室に残って次のコンクールについて語り合っていた数人の男子生徒たちも、目を丸くして振り返った。

「随分楽しそうだなぁ?」

蹴り上げたドアに足をかけたまま、教室に居残るクラスメイトたちに凄みをかける響也。

クラスメイトたちは響也を見て表情を硬くし、そしてその横にいる僕にも気づき、気まずそうに顔を逸らした。

「もう一回、同じこと言ってみろよ」

つかつかと歩み寄り、椅子に座っていたクラスメイトのひとりの胸倉を掴んで、引き上げる。

「いや、あのっ……」

「オラ、ご本人様登場だよ。面と向かってハッキリ言ってみろよ、あぁん?」

今にも殴りかかってきそうな響也の鋭い眼光に、胸倉を掴まれたクラスメイトは震えていた。

「そんな、僕たちは別に……」

「何も……なあ?」

すでに及び腰の周りの者たちも、青ざめた顔で顔を見合わせる。

「へーえ? じゃあ、お前らの身体に聞いてみてもいいぜぇ~?」