「荻野く~ん♪ あの…」
 

 弾んだ可愛らしい声で、たまたま私達のいる前で彼を呼び止めた

 聞きなれない声に思わず振り返ると、背は小さく、髪は長くて華奢な女の子 


 軍団の足も私たちの前で止まる

 彼女の声が耳に届いてないのか

 全く気にも留めない様子

 彼は彼女には振り向かず

 代わりに


 「佐山さん元気?」 

  ……なんで?

  ……この場の悪い時に
 
  …話しかけ……るの? 


 「……ハイ」

 てゆうか毎日隣りに座ってるんだから分かるでしょ?

 彼らは、私の言葉を聞いたら笑顔で去って行った。