時計の針が11時を打とうとしている

 ヤバイ!!

 門限過ぎちゃう


 「あのさ、途中で悪いけど私帰るね」


 「そっか。また一緒に歌おうね♪」


 「うん♪」


 「じゃ、ゴメン」


 「駅まで送ろうか?」

 加藤くん


 優しいね


 「大丈夫。ありがとう」
 彼の優しさを断った

 そう、この辺は割と明るい道だし。それに駐輪場の近くだし


 「じゃ、これ部屋代」

 100円玉を一つ渡す


 部屋代が600円。6人いるから一人100円てさっき言ってたし


 「いいよ。今日は無理やり歌わせちゃったんだから」


 「でも……」


 「また今度カラオケに来た時にね」


 「分かった。じゃ、お先にゴメンネ。またね」


 だけどこの後の集まりは開かれ無いまま時は過ぎるなんて

 このとき思うはずもない