「ミッキー、大分良くなったよ♪」

 よかった


 「ありが……とう……ござい……ます」

 ホッとした瞬間、急に息が切れだした

 不思議だな……


 台詞を数え切れないほど言ってる時は、全然平気だったのに



 「お風呂のお湯加減はいかが~?」

 下から叫ぶ同僚達

 ん?


 「お風呂?」

 階段を下りながら聞く


 「うん♪ だって、ミッキーの声が響き渡ってお風呂の中で練習してるみたいだったんだもん」


 周りに誰の姿も見えないから皆が下にいることを忘れていた

 みんなが下でずっと聞いていた事を改めて知った今

 急に恥ずかしくなってきた

 あれだけ大きな声出してたら聞こえない方がおかしいよね?


 「桃~、外もう真っ暗だよ~」

 沙和子先輩


 「あれ? そんなに上にいた?」

 桃先輩も階段を下りて来る


 「うん、1時間以上はそこにいたよ」


 「じゃ、ミッキーまた明日もね」


 「……はい」

 明日も……ですか……?