スー…ハー…

 大きく深呼吸して

  イザ!

 って大げさかな?

 だって男の人と話なんて、あまりした事ないんだもん

 待ち合わせをしていたのだろう? 緑のスーツを着ているその人は辺りを見回している


 「あのぅ、篠井葉子さんの……お知りあいの方ですよね?」


 「そうですけど……?」

 少し怪訝そうに答えた


 「私、葉子さんと同じクラスの佐山といいます。彼女今すぐ来ます。でも、少しだけ待っててくださいって」


 「態々それを?」


 「はい、それだけです」

 「ありがとう」

 その彼に笑顔がこぼれた。

 と丁度その時、葉子さん再登場


 「お待たせ~」

  あれま、お化粧してきたのね
   

 「おぅ!」


 「佐山さん、ありがとね♪」


 「ううん」


 普段も可愛いけど、今、すごく可愛い葉子さん

 二人肩を並べて

 行っちゃった


 素直さを持つ葉子さんがちょっぴり羨ましく思えた