- 翌日

 学校へ行くといつもはギリギリにくる荻野くんが座っている。

 !!!
 ……何でいるの?

 とりあえず、何事もないかのように席に着き、授業の準備をはじめる。

 聞くなら登校してる人が少ない今だ。

 静かに深呼吸をし心を落ち着かせる、とタイミングが良いのか悪いのか

 
「聞いてないかなぁ?」

 独り言のように呟いた荻野くん。

 その声が耳に届いた。

 それって、昨日のユイからの伝言の事だよね?

 それなら聞いたよ

 こちらこそ……よろしく 

 声にはならない。

 何で、妹を通したんだろ? 

 直接言ってくれれば答えたのに……

 何度も何度も聞き返そうとはしたけど、顔を上げる事すら出来ないでいる。

 私って、こんなにも意気地がなかったんだ