『俺、三年3組の荻野っていうんだけど、佐山さんって3年3組にいる佐山さんの妹さんでしょ?』

『はぁ』
 
『似てないね』

 
「って、初めて会う人に言われたくないよ。」

「そだね。……それで?」

 心の中を勘ぐられないように平静を装って聞き返す。


「でね……」


『お姉さん元気?』

『知りません 元気なんじゃないんですか?』
 
「って答えた、ユイが知るわけないじゃん。お姉ちゃんと家でも擦れ違うくらいだし。」

「うん」


『俺、お姉さんと同じクラスで今、隣の席なんだ』

『……』

「だから何?って感じじゃない?」

「そ、そうだね」

 一体何を言いたいんだろう?


『お姉さんにヨロシク言っといてくれる~?』

 はい?


「って言ってたから、伝えたからね」

「なんじゃ、そりゃ~!!」

「知らないよ~、こっちが聞きたいわ。……もしかしたら、お姉ちゃんの事好きなんじゃないの?」

「ブハハハ~(笑) まさか~」

 思わず噴出してしまった。