日が経つのはあっという間だ

 今日は、一学期の終わり

 終業式

  やばい!

  今日こそ退部届け出さないと 

  明日から夏休みだよ


 「鎌田ちゃん、……あのぅ…」


 「どうしたん? いつもハキハキのサヤちゃんが?」


 「すっごく頼みにくいんだけど、頼まれてくれない?」


 「何を? 事と次第によっちゃ嫌だよ?」

 相変わらずハッキリしてらっしゃる

 そこがいいんだけど

 「合唱……退部しようと思うんだ」


 「やっぱり演劇と両立は大変?」


 「そんなに大変って訳でもないけど……」


 「まぁ、お疲れさん」


 「でね、宮藤先生のところに付き合ってくれないかなぁ?」


 「嫌だよ。頑張って~、いってらっしゃ~い。あ~、私は兼部なんてしてなくて良かったわ~♪」

  そんな断り三拍子揃えなくたって……

 「お願い! 入口の所まででいいから。今度鯛焼き奢るから」

 顔の前に両手を合わせる私


 「しょうがないなぁ。……入口の所までしか行かないからね?」


 「ありがとう」



 緊張がMAX状態のまま4階の音楽室へ向かう

 宮藤先生は学校の大半を音楽準備室で過ごしているらしい