そして、なんとなくこの週も終わろうとしている
―― 土曜日
いつものように鎌田ちゃんとお弁当を広げた時
一つの予感を感じた
それは出来るなら当って欲しくない嫌な感じ
この間の音楽室で笑い転げてる姿を見てから一緒にお弁当を食べるようになった
オトナシイのではなく、極度の人見知りだったらしい
「鎌田ちゃん、今日悪いんだけど、早く帰りたくないから付き合ってくれない?」
「いいけど、いつも真っ先に帰りたがるのに珍しいね? 唯でさえ、合唱に出るのだって嫌がってるのに」
「うん……いつもはね。なんか今日辺り電話掛かってきそうな気がするんだよね? だからすぐには帰りたくないんだ」
「サヤちゃんも悩みに尽きないね~」
悩んでるんじゃなくて
困ってるんだけど……
「あのさ、楽しんでない?」
「うん♪ 楽しんでいるよ♪ こんな面白い事がある人他にいないもん☆」
「……」
コイツに言ったのが間違いだった
彼女に荻野に対する想いと告られた槙村のことをついこの間、話したばかり。
電話が掛かってきそうと感じ取ったのは
……槙村
何故、この時こんなに強く感じたのかはわからない


