─ 放課後
「本当は目が見えないんじゃなくて荻野の隣になりたかっただけなんでしょう?」
「違うよー、本当に黒板が見えにくかったんだよ」
「隠さなくたっていいよ~」
「何も隠してないよ(笑)」
私が芽生えた気持ち、まだ誰にも言っていないのに
二人には見透かされているようだ。
でも本当の事なんて……。
「じゃ、荻野のこと好き?嫌い?」
「う~ん、別にどっちでもないよ」
「そんなの答えじゃないよ」
「二択で答えなきゃダメ?」
「「うん」」
二人は楽しそうに声をハモらせてきたから、私は笑顔で答えた。
「じゃ、きら~い」
「え~?嫌いなの? 荻野は学校のなかでもマドンナ的存在なんだよ~」
「……?」
マドンナって女じゃないの?
「な~んだ、サヤが荻野の事好きなら、誕生日に荻野の写真プレゼントしようと思ったけど……いらないよね」
「うん、いらないよ」
凄い欲しい
だけど、そんなこと今更言えるわけない。