「こんばんわ、ごめんなさいね家のマルちゃんが凄い吠えていたみたいで」


 「いえ。あの……」


 「はい?」

  頑張れ私


 「あの……夜分にスミマセン、よ…佳之くんはご在宅でしょうか?」


 「あら、佳之のお友達?」


 「友達ではないのですが…えっと、同じクラスの…佐山と申します」


 「佐山さん?」

 目をパチクリする女の人


 「……ハイ」


 「せっかく来てくれたのにごめんなさいね、今塾に行ってるのよ」

 ニッコリ


 「何時頃帰られますか?」


 「あと1時間くらいかしら? 寒いからあがって待ってたら?」


 「いえ、帰ります。ありがとうございます」 


 「そう?」

 少し残念そうな顔をしてるのは気のせいだろうか?

 「あの!!」


 「はい?」


 「……私が今日ここへ来た事佳之くんには言わないでもらえますか?」


 「言わなくていいの?」

 ちょっと不思議そう


 「はい……いいです。失礼致します」

 目の前の人にお辞儀をしてしきり戸をくぐった。


  塾じゃ仕方ないね?

  ちゃんと頑張ってるんだね♪