「荻野~、宿題のプリント持って来たよ」

 彼と仲の良いトコちゃん


 「おっ、サンキューな」


 「今日の宿題の量は、鬼のようだよ~」


 「マジで~~~?」


 「ずる休みでしょう?」
 榎枝さん


 「バレタ~?」


 「分かるよ~。ずるいよ自分ばっか受験勉強で休むなんて~」

 今度は恵ちゃん


 「ゴメン、ゴメン。明日は行くから」


 「絶対だよ~」


 「元気そうで良かったよ、私心配したんだよ」

 紀ちゃん


 「悪かったな心配かけて。今、茶入れるから、上がって」


 「えっいいの~?」
 「お邪魔しまぁす」

 次々に皆上がっていく恵ちゃんたち


 「サヤどうする?」

 紀ちゃん


 「私は帰るわ、紀ちゃん上がっていきなよ?」


 「じゃ、私も帰るよ」 


 「じゃ、私たち帰るね」
 紀ちゃんは、皆に一言だけ残した


 「わざわざ、ありがとな」


 「あれ? 紀あがっていかないの?」


 「うん♪ 元気そうだったし今日は帰るわ」


 「じゃ、また明日ね~」

 「じゃね~」


 口を挟む事無くみんなのやり取りを唯聞いていた私は、最後に会釈だけした

 視線は最後まで合わないまま

 最初に目が合ったような気がしたのは

 …やっぱり気のせいかな?

 私と紀ちゃん以外のみんなは荻野宅へ上がったらしい 

 ここへ来た事だけでも冒険なのに、これ以上はさすがに無理です