さっき声を掛けられた子のところに向かって、オズオズ、と聞いてみた。 「榎枝……里美さん……だよね」 「そう♪♪ よく覚えていたね」 彼女は嬉しそうに目を見開いた。 「うん、でもごめん さっきは名前までは思い出せなかったんだ」 正直に言った。やっぱり知ったかぶりも良くないからね。 「いいよぉ。ちゃんと覚えてくれてたんだもん」 それから、なんとなく会話が弾んだ。