「お前、今回の模試の結果見たか?」


 「未だです」


 「ここに届いているんだけど、あまり良くなかったなぁ」

  やっぱり


 先生は続ける

 「これだと都立と併願ってのも難しくなってきたぞ? ランクを下げて私立1本にしてみたらどうだ?」


 「私立……ですか?」


 「そうだ。それなら確実だし。もし、お前が良いと言えば推薦も考えてる」


 「出来れば……併願で受けたいんですけど……?」


 「お前の気持ちは解るが、このままじゃ本当に厳しいぞ」


 「……10月の模試でランク内に入れば併願をしてもいいですか?」


 「それが最後のチャンスだぞ! 11月には私立の受付が始まるからな」


 「分かりました。最後にもう一度だけチャンスを下さい。これでダメだったら諦めますから」


 「よし分かった。次の模試頑張るんだぞ!」


「ハイ!!」



 進路指導室を出る頃には晴れやかな気分になっていた