「ねえ」
僕が言葉をかえそうと考えていたら
リリーは大きな瞳をもっとぱっちり
あけて語りかけてきた。
「あなたの趣味は？本は好き…？」
グレーの瞳がきらきら輝いている。
「僕も本が好き。君の読んでるその
　本もよんだことあるんだ。」

リリーの頬が薄紅色に染まり、すご
くうれしそうな表情になった。


それから僕たちは、おじいさんが戻
ってくるまでの3~40分の間中、好き
な本、最近読んだ本について感想を
語り合っていた。