下から若い男の人の声がした。
「なんだ?客か。ちょっと二人で
 遊んでてくれ。」
おじいさんは一階に駆け下りていった。

・・・・・・・・・・

沈黙がながれる。

リリーはずっと恥ずかしそうに下を向
いている。
僕は勇気を出して話しかけてみた。

「ねえ、本が好きなの?それ、なんて
 本?」
リリーはびっくりしたように僕を見た。
きっと話しかけられるなんて思っていな
かったんだろう。

「世界史…とってもおもしろい…」

すごく小さな声だったけど彼女は答えて
くれた。
しかもその本、僕も大好きだ。