町の鐘の音と共に学校が終わった。
家に着いた僕は花の図鑑を持つとすぐに時計台へと向かった。

「おじいさんこんにちは!リリーは?」

「リリーは上で寝てるよ。上がりなさい。」

おじいさんは手招きした。
リリー、寝てるのか……

ー病気

嫌な言葉が頭のなかをよぎった。

「おじゃましまーす!!!!」
不安を消すかのように、僕は不自然に大きな声であいさつをした。

階段を上がり、リリーの部屋をノックした。