僕の想像の中のリリーは、楽しそうに花畑を走り回っていた。

「ランもこっちに来て!ほら、あそこ綺麗な花が咲いているの!」

リリーは手招きしながら僕を待っていた。

リリーには花畑がよく似合うなぁ。
リリーの綺麗な髪がふわふわと風になびき、リリーの眩しい笑顔は、太陽の光で輝きを増す。

そうだ、今度リリーをピクニックに誘おう。
隣町に、確か大きな花畑があったはずだ。
リリーはきっと喜ぶと思う。
明日は花の図鑑を持ってリリーに会いに行こう。

母の声が聞こえた。
もう夕飯のようだ。僕は夕飯に出た野菜たっぷりコンソメスープとパンなどを、不安を忘れられるようにたくさん食べた。