いやいや、よくかんがえてみろよ。
リリーは僕と話すとき、あんなに面白そうに笑っていたじゃないか。
手を叩いて大笑いしたこともあったじゃないか。
元気じゃないか。
そう、リリーは元気だった。
病気なわけないだろ。

リリーが病気にかかっていると、誰に言われたこともない。勝手な僕の推測だ。
しかし、僕の頭のなかは否定の言葉でいっぱいだった。


「はあ……今日は疲れたな。母さん、夕飯の時間になったら起こして」
僕は母に言い残し自分の部屋に閉じ籠った。
ベッドに入ったが、モヤモヤした気持ち、苛立ち、悲しみに似たような感情が入り交じり、目が覚めてしまった。

目を閉じてリリーのことを考えた。