おじいさんは嘘をつくのが下手だ。

すぐに目をそらすし、頭をかきだす。

その割には、いくら問い詰めても口を
割ってはくれない。

…ウソってばれたんなら全部話しちゃ
えばいいのに。

「?」

ジーっと疑うような目でおじいさんを
見つめていると、おじいさんの頭の上
に、?マークがいっぱい出てきた。
「はやくいってくれ~これ以上は嘘を
 隠しきれない~」って感じの顔だ。

この調子じゃ問い詰めても話してくれ
そうにないや。

「また明日。」

そう言い残し、僕は時計台を出た。