「読み書きは大丈夫だが、会話となるとな。普段は殺気を放って相手を威嚇するが、君がいたから彼女は話しかけてきたのだろう」
嗚呼、さっきの鋭い視線はそのせいだったんですね。
英語が喋れないのなら、相手が話しかけられないようにすればいいって作戦ですか。なんとも先輩らしい(ある意味)一点突破の攻略法だ。
先輩と俺は味方同士だから特に感じないけど、あの迫力で睨まれたらそりゃビビるわ。
おまけに破壊神という二つ名も手伝って恐怖は倍増。外人さんも逃げ出すって寸法だ。
電車に乗ってからは、妨害行動に合わなかった。
恐らくあの外人トラップがラストだったんだろう。
四チーム中事実上二チームが脱落した状態だから、変質者や外人は残りの帰宅部の奴らが放った刺客だと推測出来る。
ま、上位二チームが次のブロックに勝ち進むシステムだから、俺達の一回戦突破は既に確定されてるんだけどな。
数々の妨害行動を乗り越えて、無事大会が指定したマンションに到着した俺と先輩。
「ただいま」を合図に試合終了。約十五分後に固定電話から一回戦進出の案内を聞かされた。



