その後は順調に進み、ほぼ時間通りに駅へ到着。
今回は大丈夫かと思ったが、案の定パスモは無くなっていて、真っ直ぐ切符の自動販売機に歩みを進めた。
違うブロックだからもしかしたらと思ったけど、奴にとっては自分以外の帰宅部員は敵のようだ。
宝具の盗み人の妨害行動。盗られるとわかっていても、守り切ることはほぼ不可能。
一度宝具の盗み人の手口を味わっていたので、さほど動揺することなく切符を購入。
改札を抜け、プラットホームで電車を待っていると、隣に立つ先輩の目付きが急に鋭くなった。
あれは狩人の眼。敵を威圧するように眼球が動く。
「どうしたんですか?」
「来るぞ……」
来る? 何が?
一体何がやって来るのかを聞く前に、俺の肩が何者かによって叩かれた。



