「……確かに」


「冗談だよ。帰宅神とはいえ人様の心を動かすことは出来ない。彼もまた帰宅道を持つ一人の帰宅部員だったということだ」


「帰宅道?」


「帰宅道は十人十色だが、その根本は皆同じだ。事故なく安全に帰宅する。もちろんその中には人様に迷惑をかけずに帰るというのも含まれる。
スタイルは決して褒められるものじゃないが、彼は正真正銘帰宅部員だということだ」


「先輩……」


正直なに言ってんのかさっぱりです。


でも凄くカッコイイことを言っているのはなんとなく理解したので、感動しておくことにした。


あれ? 感動って自発的に行うものだっけ?


感じて動くから感動なんだよね? じゃあ一応感動してるってことになるの?


感動がゲシュタルト崩壊しそうだけど、今は帰宅することだけを考えよう。うん。


そんなこんなで数々の妨害やら事件やらを掻い潜った俺と先輩。