相手にするにも面倒だ。うら若き先輩に、穢れたバベルの塔を見せるわけにはいかない。
さっさと警察に連絡して捕まえてもらおう。なにより周辺地域の平和のために。
ケータイを取り出そうとしたら、先輩に腕を掴まれて止められた。え、なんで?
「私なら大丈夫だ。行くぞ」
「行くぞって……」
先輩は正門に向かって歩き出す。
変態は待ってましたと言わんばかりに、コートの前に手をかけた。
そしてついに―――
バッ!
と、変態が自身の裸体を外気に晒した。
うわ、貧相な身体。肉喰え肉。
先輩は停止する。変態は笑みを浮かべる。



