帰宅部全国大会


関東大会でもきっと同じような状況になっているに違いない。ブロッコリーがカリフラワーに変わっているかの差だろう。


だけど男子三人組は、不敵な笑みを浮かべていた。


「そんなことは百も承知だ。きちんと対策も取っている」


「俺達のサポーターに自転車を見張らせているのだ」


「競技用の自転車だ。これで俺達の勝ちは約束されたようなもの」


と、見事なまでの死亡フラグを建築してチャリ置き場へ向かっていく。


妙な安心感はあるけど、奴らが自転車を使えるのならこちらが圧倒的に不利。


「先輩、どうしますか?」


「放っておけばいい」


先輩は言う。


「宝具の盗み人が自転車の鍵を既に盗っているだろう」


「え? でも宝具の盗み人と俺達は違うブロックですし」