(敵意剥き出しだよなぁ)
俺達に向けられた視線は、お世辞にも温かいものとは言えなかった。
一回戦は四チーム対抗戦。その内上位二チームが次へ勝ち進める。
そんな状況下で帰宅神である冬月先輩が現れたとあっては、他のチームは内心面白くないだろう。
ある者は諦めたように溜息をつき、またある者は邪険な目付きで睨んでくる。
例えるなら、草野球の試合にプロ野球選手が紛れ込んだ感じだろう。しらけるのも無理はない。
とはいえ油断は禁物。家に帰るまで何が起こるかわからない。
出来れば大きなトラブルもなく試合を終えたいけど、きっとそう簡単に事を運ぶことは出来ないだろう。
超展開には慣れてますよ。色々とね。
「して先輩、これは?」
「大会からの支給品だ」



