サイゼで祝賀会とは、なんともお財布に優しいことだろう。


県大会の結果は上々。トップ通過で関東大会進出を決めた。


どのような採点をされたのかはわからないけど、六人のジャッジが9点台後半を出したようだ。


というか採点方式って10点満点なんだ。昔の体操みたいだな。


学校からマンションまでの平均タイムから早く帰れば帰れるほど高得点。そこから芸術点で加点減点がされて、最終的な得点を各ジャッジ10点満点で評価すると山田が教えてくれた。


すげぇな山田。対した出番ないのに超詳しいな。


「だけど俺と皐月先輩の出番はなかったですね。ない方が一番良いんだけど」


ポテトを摘まみながら山田が言う。一応自覚はあるようだ。


「まあ県大会ならこんなもんでしょうね。帰宅神も宝具の盗み人しかいなかったし」


「嗚呼、だが関東大会ではそうはいかない。皐月と山田のサポートがなければ勝ち進めないだろう。その時は頼むぞ」


そっか。まだ県大会を勝っただけなんだよな。