これって案外有効なんだよねぇ。
相手の勢いを使って扱けさせるから、受け身が取れないとそのまま地面に突っ込むことになってなかなか痛いのだ。
「流石だな。これだけの相手をして無傷とは」
「先輩こそ。この数を一瞬で蹴散らすなんて流石です」
「ありがとう。では急ごう」
「はい!」
余計な邪魔が入ったけど、先輩は妨害があることは既に計算済み。
学校から駅までもっと早く着けるはずなのに、どうして二十分も時間を取っていたのかが今になって理解出来る……って、さっきから俺同じことばっか言ってんな。
実戦形式で俺を仕込む計画だから、その辺りのことも全然教えてくれなかったんだよな先輩。自分で考えて自分で気付けってわけだ。
駅までは滞りなく進んだ。
人目も多い駅構内じゃ、流石に妨害も出来ないだろう。



