「良い顔になったな。だが妨害は始まったばかりだ。特に帰宅神の仲間は狙われやすいぞ」
「仲間って……俺がですか?」
「帰宅神の首を狙う奴は多い。だが真っ向勝負では敵わない。そこで帰宅神の仲間を集中的に攻め、絡め手で陥れようと企んでいる輩が多い」
「……どうやらそのようですね」
正門を抜けた瞬間、ガタイの良い男達が列をなして仁王立ちしていた。
私服だけど、他校の帰宅部サポーターなんだろう。にしても強そうな奴らを集めてきたな。
皐月先輩と山田を裏方に回した理由がやっと理解出来た。
いくら先輩が強くたってこの人数だ。仲間を守りながら戦うなんて器用なこと、いくら先輩でも難しい。
だからそこそこ腕が立つ俺を抜擢したというわけか。護身術しか習ってねえけど。
「暴力行為ってルール的にセーフなんですか?」
「正当防衛ならセーフだ」
「つまり、奴らが手を出してきてからってことですか」



