反射的に立ち上がってしまったが、それは正解だったらしい。
皆も俺と同じように立ちあがって、次の指示を待つ。
「さようなら」
「「「さようなら」」」
全員が声を合わせて別れの言葉を発すると、慌ただしく教室の出口へ向けて歩き出した。
まさか、今のが開始の合図?
先輩も荷物を持って「早く行くぞ」と声をかける。
やべぇ、乗り遅れた。
遅れを取り戻す為走り出そうとしたら、先輩に前を塞がれてしまった。
「走るな」
「え、でも……」
「廊下は走るものではない。それに君は、毎日走りながら帰宅するのか?」
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