結論から言えば、俺達の勝ちだった。


タイムでは馬を使った富士の野生児が一歩上回っていたのだが、芸術点で二歩リードすることが出来たのだ。


富士の野生児のトラップを華麗に回避したことが功を制したようだ。


トラップをしかけた方は全滅。そこで芸術点がマイナスに。


トラップをしかけられた方は回避。そこで芸術点がプラスに。


直帰は早さを競う競技だからタイムの得点配分が多いけど、この加点減点の差でなんとか勝利することが出来た。


トラップ回避も芸術点に左右されるのかぁ。と、今更気付いた俺超恥ずかしい。


でもこれで最大の山場はクリアした。


次は準決勝。これに勝てば決勝戦。


しかも相手は帰宅神ではない普通の帰宅部部員。これはちょっとばっか有利かな?


なんて言ったら先輩に、「油断はするな」と叱られるから口には出さない。


それに次の相手は、帰宅神とは別の意味で厄介な奴らのようだ。