俺達を警戒しているのか、アルパカ達の目つきは鋭く、なにやら低い声で唸っている。
アルパカって唾吐いてくるよなぁ。めっちゃ臭いやつ。
ここは大人しく別のルートを……いや駄目か。
富士の野生児は頭上の鷹を使って、常に俺達の動向を監視している。
おそらく仲間が映像と位置情報を管理して、富士の野生児に報告、何かしらの手を使って動物たちに指示しているのだろう。
とすれば、この場から逃げてもアルパカ達は先回りして逃げ道を塞いでくるはず。
いっそのこと警察か保健所に通報してやってもいいが、そんなことしたら重要参考人として事情聴取をされるだろうし、かといってトンズラこいたら減点されるだろう。
相手が人間なら、適当に煽って襲いかかって来た所を返り討ちにすればいいけど、相手は動物。人間の言葉なんて通じない。
強行突破という手も残ってるけど、唾吐かれるのはなぁ……。
「仕方ないな。このアルパカ達を駆除しよう」
「え?」



