先輩も感じ取ったのか、足を止めて身構えた。
ライオンかクマか。はたまた大穴でゾウさんか。
いずれにせよ、厄介な動物には間違いない。
曲がり角から黒い影が現れる。
緊張の一瞬。黒い影の正体は……!
「パカー!」
アルパカだった。
え? なぜアルパカ? 確かに今ブームだけど……。
口をモシャモシャしながら、こちらにゆっくり近づいてくるアルパカ達。
白に茶色と色取り取りのアルパカ達の群れは、普通なら癒される光景だろう。
だが忘れてもらっては困る。季節は夏なのだ。
夏場の羊がどのような姿になっているのかは、皆さんご存知であろう。



