冗談で言ったのに真顔で返された。うそーん。
「彼の実家はペットタレントの事務所兼養成所らしい。動物園やサーカスとのコネクションもあるようだし、その気になれば像の一頭ぐらい借りることは可能だろう」
なにそれこわい。ハンター呼ばないとやばいじゃん。
肉食動物だけは勘弁してくれよ。もはや帰宅じゃなくてバトルロワイヤルだ。
頭上の鷹にも気を付けつけないとな。
パッと顔あげたら、晴天の空が真っ黒に染まっていた。
ちなみにこれは比喩ではなく、まじで真っ黒になっているのだ。
だがこれは雨雲などではない。だって晴天、雲一つない青空だったのだ。
黒の正体は、電線にとまるカラス達。
なんだこの数? 尋常じゃねえぞ。
まるで大地震の予兆とも取れるカラスの数。一種のホラー映画を見ているようだ。
「まさかこのカラスも……?」



