(あっちぃな。早く帰りてぇ)
季節描写がないせいで忘れがちだが、今は夏。
しかも今回指定されたマンションが、位置的に駅から遠くて、徒歩で帰った方が早いということで歩きオンリーの帰路になっている。
つまり電車のクーラーを一度も浴びることなく、この炎天下を歩き続けることになるのだ。
暑くて死ねる。凍らせたお茶がなかったら、とっくに干からびていただろう。
モチベーションは最悪だ。暑が夏すぎて辛すぎる。
だけど先輩は暑さに強いのか、ほとんど汗をかいていない。
そういやいつぞやのムッツリボクサーに襲われた時も、息一つ乱れず一撃必殺をお見舞いしていたっけ。
女性が息を乱しながら大粒の汗を流している姿は、精一杯頑張っている感じがして俺は好きなんだけどなぁ。そういう汗臭い感じが意外と好き。
先輩はあんまり汗をかかないから、ちょっと物足りないのです。
息を荒げて額の汗を腕で拭う先輩……いい!



