一回戦の時は、対戦相手がこのトラップを抜けることが出来なかったため、第二第三のトラップは把握出来なかった。
こっから先は先輩の知識と経験、そして機転を利かせて回避するしかない。
一応予備の肉はあるから、野良犬トラップがまた仕掛けられてもなんとかなるが、流石に市街地に野良犬を放置するような真似はしないだろう。
だけど、嫌な予感の的中率って結構半端ないんだよなぁ……。
溜息雑じりに天を仰ぐと、そこには雲一つない青空が広がっていた。
なにやらトンビが俺達の真上をグルグル回っていて、「こんな都会にもトンビがいるんだなぁ」と、呑気にそんなことを考える。
と、視界の端でとんでもない光景を捉えてしまった。
「流石ですね。この程度のトラップでは足止めにもなりませんか」
結論から言えば対戦相手の富士の野生児なんだけど、なんか余計なオプションが付いているのだ。
(なんで馬に乗ってんだ!?)
富士の野生児は、馬に跨っていた。



