「あ、ミルキィもあるよ。ママの味〜」


そう言って俺の手の平に、次々と飴やらなにやらを置いて行く富士の野生児。


どこに隠し持ってやがるんだ? というか種類豊富すぎワロタ。


野生児という二つ名が霞んでくる。


全く野生児じゃないじゃん。ワイルドとは対極にいる存在だよこの子。


ママの味を噛みしめながらふと思う。


やっぱミルキィはうめぇ。ママの味サイコー。


一服も終わると、いつも通り先生役の人が教室に入って来た。


結局二人の関係はわからずじまいだし、なにより富士の野生児という帰宅神の素性が全くわからなかった。


とりあえず、飴ちゃんを大量に持っている好青年であることだけはわかった。人柄は良さそうだ。


「「さようなら!」」


先生の合図で、俺達は同時に鞄を手にした。