しかも先輩が推薦したってことは、その富士の野生児って奴の実力は相当なもんなのだろう。


帰宅神の中でも上位の存在。おまけに先輩が認めた実力者。


生半可な覚悟じゃ絶対勝てない。


「無事に帰宅しましょうね!」


「そうだな。無事に帰宅しよう」






「おはよう」


教室に入った瞬間に発せられた言葉に、俺と先輩も「おはよう」と返した。


優しそうな小柄の少年。とても“野生児”とは思えぬ見た目に、ちょっとだけ疑問符が頭上を飛んだ。


「そちらがお弟子さん?」


「嗚呼、海斗だ。その内世話になるかもしれないが、その時は頼む」