一回戦は誘惑の婦女子を退けて、二回戦進出が決定した。


まさか痴漢を利用した妨害行動をしてくるとは予想だにしていなかったが、俺のプライドを犠牲にすることで、なんとか敵の罠を掻い潜ることが出来た。


帰宅神を相手にするには骨が折れる。出来れば帰宅神との勝負は避けたいところ。


だけど人生そんなに甘くはない。


物語の展開上、さらなる強敵が待ち構えているのはお約束なのだ。


「次の相手も帰宅神なんですか?」


二回戦の会場(教室)に向かう途中、次の対戦カードを覗きながら先輩が衝撃的な一言を口にした。


「嗚呼、彼の二つ名は“富士の野生児”。四人目のゴット・オブ・ゴットにもっとも近い存在だと言われている」


「ゴット・オブ・ゴットに!?」


そんな凄い奴が次の対戦相手なんですか!


あれ、でもゴット・オブ・ゴットって帰宅神の90%が認めないといけないんじゃなかったっけ?