それに他の帰宅神達はやけに先輩に対して敬意を表しているというか。


あくまで対等に、だけどどこか一歩引いて、妙な距離感を維持して接していた。


同じブロックに当たった奴らは、やけに先輩に対して対抗意識を燃やしていたし、犯罪ギリギリ(一部アウト)の行為をしてまでも、先輩に勝とうと躍起になっていた。


思い当たる節はいくつかある。あるけどまさか……。


「先輩って、そんな有名人だったんですか?」


「私も好きで有名になったわけじゃない。いつの間にかゴッド・オブ・ゴッドに選ばれただけだ」


「それだけ美鈴の実力を皆が認めてるってわけだ。まっ、俺が師匠なんだから当然だけどなー!」


帰宅神の頂点に立つ鮫島部長と冬月先輩。


「なんか、すげぇプレッシャー……」


帰宅神でもなければ帰宅部歴一年未満の俺が、知らなかったとはいえゴッド・オブ・ゴッドの元で帰宅していたなんて。


どうりで周囲の視線が先輩だけじゃなくて俺にも向けられていたわけだ。